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02
2月

Step 4. ボディ整形(ホワイトメタル)

Written by チキチキ. No comments Posted in:
Posted Date : 2011-02-02

これから紹介する製作記は、
BENETTON B194
1994 SPANISH GP
TAMEO(TMK 179)

をストレートに組みます。

(キットの部品だけで改造やアクセサリを追加しない制作)
物足らないかも知れませんが、まずは1台目と言うことで。

「はじめに」でも書いた様に、部品の品質が良いとは言えません。
表面には、バリパーティングライン(鋳型の継目痕)が残ったままで、
湯口(鋳型に流し込んだ跡)も残っています。
バリや湯口は、カッターナイフデザインナイフで切り取れますが、
やり過ぎると、大事な所まで削ってしまうので、
ある程度切り取って、後は金ヤスリで削り、耐水ペーパーで整えます。
パーティングラインは耐水ペーパーで研いで段差を無くしまが、
大きい段差の場合は金ヤスリで削って耐水ペーパーで研ぎます。
また、見た目のメリハリを付ける為「スジ彫り」「縁落とし」
サスペンションやシャフトを取り付ける「穴開け」もします。

購入直後の状態

湯口もバリもそのまま残ってます

肌荒れも、まぁまぁこんなもんですよ

このボディ整形の目的には、もう一つ「仮組み」が有ります。
仮組みでは、
・ボディとパーツが合うか?
・車高が取れているか?
・前後左右上下のズレは無いか?
・全体のバランスは取れているか?

等を整えますが、ある程度整形したら

「仮組みして、チェックをして、またボディを整形する」

を繰り返しますので、
この「ボディ整形」と同時に「仮組み」も一緒に読んで下さい。
では、具体的に作業を開始しましょう。

◯洗浄
まずは、洗いましょう。
余計な汚れや油分を落とすために、中性洗剤(食器洗剤)を使って
歯ブラシで洗います。
パーツはランナーに付けたまま洗います。
キッチンや洗面台では、部品を排水口に流す危険も有るので、
ボウルとか洗面器に水を張って、洗った方が良いでしょう。

◯整形
バリや湯口は、ある程度の所まではデザインナイフで切り取り、少し残します。
デザインナイフで最後まで削ってると曲線がガタガタになるので
少し残した部分を細目の金ヤスリや耐水ペーパー(#400・#600)で削ります。

重要なのは、

バリと本体の境目をきちんと見極めて作業する事。

組立図を見て「他の部品との噛み合い方」を理解して、
実際に部品をあてがいながら本体側を削ります。

アンダーパネルをボディ底面に沿わせる指示

下の例では、ボディとアンダーパネルを組み合わせるのですが、
右底は合ってますが、左底は合ってません、
右底を合わせて上部から見るとセンターが合ってません。

そのまま部品を合わせてみると噛み合わない

センターがズレて合っていない

と言うことは、左右共に部品が合ってない事になりますので、
アンダーパネルのエッチングパーツをあてがいながら、
前後左右上下を確認しながらボディ側を削ります。
(エッチングパーツの方が成型が正しい事が多い)

隙間は有りますが納まりました

ボディ側を削りアンダーパネルを合わせる

この作業の様に、部品と部品を正しく噛み合わせるのも「仮組み」の一作業です。
重要なのは、

前後左右上下あらゆる角度から立体的に見て噛み合わせる事

良く見るとノーズが変形してますね、これも整形します

大まかな整形をして#600で研いた状態

◯縁落とし

ホワイトメタルの肉厚は1mm程度有ります。
F1のカウルのコックピット周りや後端等の縁をそのままにしてると
出来上がりでカウルが厚ぼったく見えます。

カウル後端部 このままではねぇ…

コックピット周りも処理しましょう

縁を斜めに削って、見た目に薄く見せます。
デザインナイフではなく細目の金ヤスリで慎重に削ります。

コックピット周りもシャープになりました

縁を斜めに削ったのが判りますか?

後端部もシャープになりました

カウル縁を斜めに削りました

こんな場合にリューターを使うと、効率良く削れると思います。
仕上げの時にカウル裏面を「つや消し黒」で塗れば、カウルが薄く見えます。

◯表面研ぎ

プライマー・サーフェーサを吹く前ですから、
ツルツルに磨き上げる必要は有りません。
パーティングラインを消したり湯口痕を消す作業ですから、
#400~#800の耐水ペーパーを使い分けて表面を滑らかにします。
表面を研いでいる内に、ボス穴(スペンションやドライブシャフトの取付穴)
消えてしまう事が有るので、研ぐ前にボス穴をドリルで開けておくと
見失う事は無いと思います。
(仮組みの時、微調整の為に塞いだり開けたりしますけどね)
注意点としては、

磨き過ぎてモールドやエッジを潰さない事。

また、モデルのディテールを際立たせる為に、

平面は平らに、局面は丸く、エッジはシャープに磨く事

を心がけて作業しましょう。
平面やエッジは耐水ペーパーにあて木をして平面に、
局面は指の柔らかさで丸く磨きます。

インダクションポッドの流れるラインを研く

#600で研いだ状態 肌荒れも残ってます

ここでもリューターを使うと効率が上ると思います。

◯スジ彫り
カウルの継目やボンネット・ドア周りなどにスジが入ってますが、
そのままのでは重ね塗りした塗料で埋まってしまいます。
「薄くペイントすればスジは消えない」と言われますが、
やっぱり何回も塗料を重ねるとスジもボヤけてしまいます。

デザインナイフやカッターナイフでは作業し辛いので、
Pカッタスジ彫り用タガネけがき針を使いますが、問題は直線より曲線を掘るときです。
曲線を一気に深く掘るとガタガタの曲線が出来ますので、
スジ彫りは一気に深く掘らずに、少しずつ深く掘りましょう。
千枚通しやけがき針で軽く少しずつなぞって、ラインを深くします。
Pカッターやタガネも使えますが、太くなり過ぎないように注意して下さい。

千枚通しとPカッターで、深めに掘りました

上の写真では、スジを外れて引っ掻きキズが入ってますが、
この程度なら、後ほどの「下地処理」で隠蔽出来ます。
結構太く見えますが、塗装を重ねると埋まっていきます。
0.5mmの幅を1/43スケール換算すると20mm程度になり、
実車で20mmも隙間は有りません。

スジ彫りは、見た目にメリハリを付ける為

に行います。
また「スミ入れ」の際のラインになりますので、
多少深めでも良いと思います。

◯パテ補修

表面には「ス」(製造時の気泡の痕)やキズが有ります。
キズは浅ければ耐水ペーパーで研げば消えますが、
深いキズやスはパテで埋めて補修します。
パテにはポリエステルパテ・ラッカーパテ・エキシポパテが有りますが
また、瞬間接着剤をパテ代わりに流し込む事もできます。

パテそれぞれの特徴を理解して、補修する箇所や大きさによって使い分けます。
・ポリエステルパテ(通称ポリパテ)
2液式で硬化が早く、硬化後のヒケ(縮んで隙間が出る)も目立ちません
また、薄め液に侵食されないので、塗り直しの時に溶けません
・ラッカーパテ(タミヤパテ等)
使い易いが、硬化時間が遅く、硬化後のヒケが目立ち易い
また、薄め液に侵食されて、塗り直しの時に溶けてしまいます
・エキシポパテ(粘土状の造形パテ)
大きな穴埋めや改造する場合に使います

パテを盛ったら充分硬化してから耐水ペーパーを掛けます。
硬化が不十分だとポロッと取れたりしますので、1日置くのが良いと思います。
(「硬化が早い」と書いて有っても信じない事)
また、基本ですが、

パテはヒケる分を考慮して多めに盛るのがコツです

このキットはコックピット下のパーツが分離していて、
組み合わせると、写真の様に隙間が出来ますので、パテ埋め補修します。
注意)
パーツを固定しても他のパーツが組み立てられるか必ずチェックして下さい。
この例では、シート+メータパネルのパーツが塗装後に組み込めるのか?

パーツが分離しています

パーツ同士の隙間をパテ埋めします

DIYショップの家屋補修のコーナーに有りました

パーツ同士の隙間には「切って練るだけ接着パテ金属用(コニシ)(エキシポ系)」
初めて使いましたが、硬化が早過ぎて作業し辛いのですが、
硬化後は、しっかり張り付いていて、削り易くなります。

表面に小さなスやキズが有ります

DIYショップの車用品コーナーに有りました

また、表面のスには「タッチアップパテ(ホルツ)(ラッカー系)」を使いました。
タミヤパテ等を薄め液で薄めて作るのも面倒くさいので、
実車用のタッチアップパテを使います。

結構多めに盛ります

表面もラッカーパテを筆塗りしました

充分乾燥(24時間は寝かせました)させた後は、
デザインナイフ・金ヤスリ・#600耐水ペーパーで整えます。

多めに盛って、慎重に削りました

まだまだ細かいキズは残ってます

ノーズ下の継目も埋まりました

まだ、サーフェーサーを吹く前ですから、ツルツルに研く必要は有りません。
あくまでも、大まかな整形の為の研ぎ作業です。

<<Step 3. 資料  Step 5. 仮組み>>


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